- 歌の意味
- 奥山に棲むという鹿が毎晩欠かさず妻として訪れる萩が、散ってしまうのは惜しいことだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2098
詞書は前の歌に続き「花を詠む」
奥山に棲む鹿が毎晩妻として訪れる萩の散ることを惜しむ歌である。本巻の第二千九十四首と同じく、鹿と萩を夫婦に見立てる趣向で、萩が散ることは鹿にとって妻を失うことでもあるという哀れさが込められている。
初句「奥山に」は人里離れた奥深い山にの意である。
二句「棲むといふ鹿の」は棲むという鹿のの意で、字余りの句である。
三句「夕さらず」は毎晩欠かさずの意である。
四句「妻どふ萩の」の「妻どふ」は妻のもとを訪れる意で、萩を鹿の妻に見立てている。
結句「散らまく惜しも」の「まく」は推量の「む」のク語法、「も」は詠嘆である。散ることを惜しんで結ぶ。
つまどふ:妻や恋人のもとを訪ねる
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 雁がねの来鳴かむ日まで見つつあらむ この萩原に雨な降りそね
- 次の歌
- 白露の置かまく惜しみ秋萩を 折りのみ折りて置きや枯らさむ