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秋田刈る仮廬の宿りにほふまで
咲ける秋萩見れど飽かぬかも

歌の意味
秋の田を刈る仮小屋の宿りが照り映えるほどに咲いている秋萩は、いくら見ても見飽きることがない。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2100

詞書は前の歌に続き「花を詠む」
 秋の田を刈るための仮小屋が照り映えるほどに咲く秋萩を、いくら見ても見飽きないとたたえる歌である。農作業の仮住まいという素朴な場に、萩の花の華やかさが彩りを添えている。春雑歌の第千八百五十二首と同じく「見れど飽かぬかも」の讃美の結句をもつ。

 初句「秋田刈る」は秋の田を刈るの意である。
 二句「仮廬の宿り」の「仮廬」は仮に作った小屋の意である。農作業のための仮住まいを示す。
 三句「にほふまで」の「にほふ」は色美しく照り映える意である。
 四句「咲ける秋萩」の「る」は存続の「り」の連体形である。
 結句「見れど飽かぬかも」は讃美の定型句で、萩の美しさをたたえて結ぶ。

かりいほ:仮に作った小屋
にほふ:色美しく照り映える
出典
万葉集
前の歌
白露の置かまく惜しみ秋萩を 折りのみ折りて置きや枯らさむ
次の歌
我が衣摺れるにはあらず高松の 野辺行きしかば萩の摺れるぞ