我が衣摺れるにはあらず高松の
野辺行きしかば萩の摺れるぞ
- 歌の意味
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私の衣はわざわざ摺り染めたのではない。高松の野辺を行ったので、萩が摺り染めたのだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2101
詞書は前の歌に続き「花を詠む」
衣に色が付いているのは自分で摺り染めたのではなく、高松の野辺を歩いたので萩が摺り染めたのだと詠んだ歌である。萩の花の咲き満ちる野を歩いて衣が自然に染まったという発想に、萩の花の豊かさと、それを楽しむ心の弾みが表れている。夏雑歌の第千九百六十五首で榛による摺り染めが詠まれたのと同じく、植物による衣の染色を詠んでいる。
初句「我が衣」は私の衣の意である。
二句「摺れるにはあらず」は摺り染めたのではないの意で、字余りの句である。ここで二句切れとなる。
三句「高松の」は高円の地とされ、本巻の第千八百七十四首にも見える地名である。
四句「野辺行きしかば」の「しか」は過去の「き」の已然形、「ば」は確定条件で、野辺を行ったのでの意となる。
結句「萩の摺れるぞ」の「ぞ」は強意の終助詞である。萩が摺り染めたのだと言い切って結ぶ。
する:草木の汁などを布にすりつけて染める
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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秋田刈る仮廬の宿りにほふまで 咲ける秋萩見れど飽かぬかも
- 次の歌
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この夕秋風吹きぬ白露に 争ふ萩の明日咲かむ見む