- 歌の意味
- 秋風は涼しくなった。馬を並べて、さあ野に行こう、萩の花を見に。
- 鑑賞
-
巻第十 秋雑歌 2103
詞書は前の歌に続き「花を詠む」
秋風が涼しくなったので、馬を連ねて萩の花を見に野へ出かけようと誘う歌である。萩の花見という秋の行楽の楽しさが、弾むような調子で表れている。春雑歌の第千八百八十首からの野遊びの一連が春の野の行楽を詠んだのに対し、この歌は秋の野の行楽を詠んでおり、春と秋の対応が見られる。
初句「秋風は」は秋風はの意で、主題を示す。
二句「涼しくなりぬ」の「ぬ」は完了で、ここで二句切れとなる。
三句「馬並めて」は馬を並べての意で、本巻の第千八百五十九首では枕詞として用いられた語である。
四句「いざ野に行かな」の「いざ」は誘いかけ、「な」は意志、勧誘の終助詞である。
結句「萩の花見に」は萩の花を見にの意で、倒置によって目的を最後に示している。
なむ:並べる。連ねる
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- この夕秋風吹きぬ白露に 争ふ萩の明日咲かむ見む
- 次の歌
- 朝顔は朝露負ひて咲くといへど 夕影にこそ咲きまさりけれ