ことさらに衣は摺らじをみなへし
佐紀野の萩ににほひて居らむ
- 歌の意味
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わざわざ衣を摺り染めたりはすまい。佐紀野の萩の花に染まって過ごそう。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2107
詞書は前の歌に続き「花を詠む」
わざわざ衣を摺り染めせずとも、佐紀野の萩の花の中にいれば自然に染まるだろうと詠んだ歌である。本巻の第二千百一首の、萩が衣を摺り染めたという歌と同じ趣向で、萩の咲き満ちる野に身を置く喜びが表れている。春相聞の第千九百五首と同じく「をみなへし佐紀」の枕詞を用いている。
初句「ことさらに」はわざわざの意である。
二句「衣は摺らじ」の「じ」は打ち消し意志で、衣を摺り染めまいの意である。ここで二句切れとなる。
三句「をみなへし」は「佐紀」にかかる枕詞である。
四句「佐紀野の萩に」の「佐紀野」は平城京の北に広がる野である。
結句「にほひて居らむ」の「にほふ」は色に染まる意、「む」は意志である。萩に染まって過ごそうと結ぶ。
をみなへし:女郎花。「をみなへし」で「佐紀」にかかる枕詞となる
にほふ:色に染まる。色美しく照り映える
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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沙額田の野辺の秋萩時なれば 今盛りなり折りてかざさむ
- 次の歌
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秋風は疾く疾く吹き来萩の花 散らまく惜しみ競ひ立たむ見む