- 歌の意味
- 秋風よ、早く早く吹いて来い。萩の花が散るのを惜しんで、風に抗って立つ姿を見よう。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2108
詞書は前の歌に続き「花を詠む」
秋風に早く吹いて来いと呼びかけ、萩の花が散るまいと風に抗って立つ姿を見たいと詠んだ歌である。風を恐れるのではなく、風に抗う萩の姿の美しさを見ようとする逆説的な発想が特色である。本巻の第二千百二首の白露に抗う萩と同じく、自然に抗う萩の生命力を賞でている。
初句「秋風は」は呼びかけの対象である。
二句「疾く疾く吹き来」の「疾く」は早くの意で、繰り返しによって促す調子を強めている。「来」は命令形である。
三句「萩の花」は主語である。
四句「散らまく惜しみ」は散ることを惜しんでの意である。
結句「競ひ立たむ見む」の「競ふ」は張り合う意で、字余りの句である。風に抗って立つ萩の姿を見ようと結ぶ。
きほふ:張り合う。競い合う
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- ことさらに衣は摺らじをみなへし 佐紀野の萩ににほひて居らむ
- 次の歌
- 我が宿の萩の末長し秋風の 吹きなむ時に咲かむと思ひて