古典和歌stream

我が宿の萩の末長し秋風の
吹きなむ時に咲かむと思ひて

歌の意味
我が家の萩の枝先が長く伸びている。秋風が吹く時に咲こうと思って。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2109

詞書は前の歌に続き「花を詠む」
 家の萩の枝先が長く伸びているのを、秋風の吹く時に咲こうと準備しているのだと見なした歌である。萩の成長に花の心を読み取り、開花を待ちわびる作者の思いを重ねている。萩に意志を認める擬人的な発想は、前歌の風に抗う萩とも通じている。

 初句「我が宿の」は私の家のの意である。
 二句「萩の末長し」の「末」は枝先の意で、枝先が長いの意となる。ここで二句切れとなる。
 三句「秋風の」は秋風がの意である。
 四句「吹きなむ時に」の「な」は強意、「む」は推量で、吹くであろう時にの意となる。
 結句「咲かむと思ひて」は咲こうと思っての意で、倒置によって枝先が伸びる理由を萩の心として示している。

うれ:梢、枝先
出典
万葉集
前の歌
秋風は疾く疾く吹き来萩の花 散らまく惜しみ競ひ立たむ見む
次の歌
人皆は萩を秋と言ふよし我れは 尾花が末を秋とは言はむ