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人皆は萩を秋と言ふよし我れは
尾花が末を秋とは言はむ

歌の意味
人は皆、萩こそが秋だと言う。ままよ、私は尾花の穂先こそを秋だと言おう。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2110

詞書は前の歌に続き「花を詠む」
 人は皆萩こそ秋の象徴だと言うが、自分はすすきの穂こそ秋だと言おうと、独自の美意識を主張する歌である。萩の花を詠む一連の中にあって、あえて尾花を持ち出す反骨的な態度がおもしろく、一連の中で異色の一首となっている。

 初句「人皆は」は人は皆の意である。
 二句「萩を秋と言ふ」は萩を秋だと言うの意で、字余りの句である。ここで二句切れとなる。
 三句「よし我れは」の「よし」はままよ、たとえどうあろうとの意である。
 四句「尾花が末を」の「尾花」はすすきの穂、「末」は穂先の意である。
 結句「秋とは言はむ」の「む」は意志である。自分は尾花を秋と言おうと主張して結ぶ。

をばな:すすきの穂
うれ:梢、枝先。穂先
出典
万葉集
前の歌
我が宿の萩の末長し秋風の 吹きなむ時に咲かむと思ひて
次の歌
玉梓の君が使の手折り来る この秋萩は見れど飽かぬかも