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手寸十名相植ゑしなしるく出で見れば
宿の初萩咲きにけるかも

歌の意味
(初句は訓みが定まらない)植えたかいがあって、出て見ると、家の初萩が咲いたことだ。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2113

詞書は前の歌に続き「花を詠む」
 植えたかいがあって、出て見ると家の初萩が咲いていたことを喜ぶ歌である。初句「手寸十名相」は古来訓みの定まらない難訓の句で、原典の仮名の行でも訓みが示されておらず、ここでは原典の訓読の表記をそのまま掲げる。自ら植えた萩が初めて咲いた喜びが、結句の詠嘆に表れている。

 初句「手寸十名相」は訓みの定まらない難訓の句である。「手もすまに」と訓み、手を休めずにの意とする説などがある。
 二句「植ゑしなしるく」の「しるし」はかいがある意で、植えたかいがあっての意とされる。
 三句「出で見れば」は外に出て見るとの意である。
 四句「宿の初萩」はその年初めて咲いた家の萩の意である。
 結句「咲きにけるかも」の「けり」「かも」は詠嘆である。初萩の開花に気づいた喜びを示して結ぶ。

はつはぎ:その年初めて咲いた萩
しるし:効果がある。かいがある
出典
万葉集
前の歌
我がやどに咲ける秋萩常ならば 我が待つ人に見せましものを
次の歌
我が宿に植ゑ生ほしたる秋萩を 誰れか標刺す我れに知らえず