白露に争ひかねて咲ける萩
散らば惜しけむ雨な降りそね
- 歌の意味
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白露に抗いきれずに咲いた萩が、散ってしまったら惜しいことだろう。雨よ、降らないでおくれ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2116
詞書は前の歌に続き「花を詠む」
白露に促されるようにして咲いた萩が散ってしまうのを惜しみ、雨に降らないでほしいと願う歌である。本巻の第二千百二首で白露に抗って咲こうとした萩が、この歌では抗いきれずに咲いており、二首は萩の開花の前後を詠んでいる。春雑歌の第千八百六十九首の「春雨に争ひかねて」と同じ言い回しで、春の桜と秋の萩とが対応している。
初句「白露に」は白露にの意である。
二句「争ひかねて」は抗いきれずにの意で、第千八百六十九首と同じ句である。
三句「咲ける萩」は咲いた萩の意で、ここで三句切れとなる。
四句「散らば惜しけむ」の「ば」は仮定、「けむ」は推量で、散ったら惜しいだろうの意である。
結句「雨な降りそね」は本巻の第二千九十七首と同じ結句で、雨に降らないでくれと願って結ぶ。
あらそふ:抗う。張り合う
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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手に取れば袖さへにほふをみなへし この白露に散らまく惜しも
- 次の歌
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娘女らに行相の早稲を刈る時に なりにけらしも萩の花咲く