朝霧のたなびく小野の萩の花
今か散るらむいまだ飽かなくに
- 歌の意味
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朝霧のたなびく野の萩の花は、今ごろ散っているのだろうか。まだ見飽きていないのに。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2118
詞書は前の歌に続き「花を詠む」
朝霧のたなびく野の萩の花が、今ごろ散っているのではないかと案じる歌である。まだ十分に見ていない萩が散ってしまうことへの惜しみが、「いまだ飽かなくに」に込められている。春雑歌の第千八百六十七首の阿保山の桜が今日も散っているだろうかと思いやった歌と同じく、見えない場所の花の散ることを思いやっている。
初句「朝霧の」は朝の霧のの意である。
二句「たなびく小野の」の「小野」は野の意で、「を」は接頭語である。
三句「萩の花」は主語である。
四句「今か散るらむ」の「か」は疑問の係助詞で、「らむ」の連体形と係り結びをなす。ここで四句切れとなる。
結句「いまだ飽かなくに」の「なくに」は打ち消しのク語法に「に」の付いた形で、まだ見飽きていないのにの意である。字余りの句である。
をの:野。「を」は接頭語
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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娘女らに行相の早稲を刈る時に なりにけらしも萩の花咲く
- 次の歌
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恋しくは形見にせよと我が背子が 植ゑし秋萩花咲きにけり