- 歌の意味
- 秋萩にこれほど心を尽くすまいと思うけれども、ええ、惜しいことだ。また再び逢えるだろうか、いや逢えはしない。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2120
詞書は前の歌に続き「花を詠む」
秋萩にこれほど心を奪われまいと思っても、やはり惜しく、またこの花に逢えるだろうかと嘆く歌である。散りゆく萩への惜しみが、恋にも似た激しい思いとして表れている。萩を恋人に見立てて、一度きりの出会いを惜しむ心とも読める。
初句「秋萩に」は秋萩にの意である。
二句「恋尽さじと」の「じ」は打ち消し意志で、恋の思いを尽くすまいとの意である。
三句「思へども」の「ども」は逆接である。
四句「しゑやあたらし」の「しゑや」はええままよと思い切る意の感動詞、「あたらし」は惜しい意である。
結句「またも逢はめやも」の「めやも」は反語で、また逢えるだろうか、いや逢えないの意である。
つくす:すっかり出し尽くす
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 恋しくは形見にせよと我が背子が 植ゑし秋萩花咲きにけり
- 次の歌
- 秋風は日に異に吹きぬ高円の 野辺の秋萩散らまく惜しも