- 歌の意味
- 秋風は日ごとにますます吹くようになった。高円の野辺の秋萩が散るのは惜しいことだ。
- 鑑賞
-
巻第十 秋雑歌 2121
詞書は前の歌に続き「花を詠む」
日ごとに強まる秋風に、高円の野辺の萩が散ってしまうのを惜しむ歌である。秋風が日増しに強まるという季節の深まりが、萩の散る時の近いことを知らせている。春雑歌の第千八百六十六首で高円の桜が詠まれたのに対し、この歌は高円の萩を詠んでおり、同じ土地の春と秋の花が対応している。
初句「秋風は」は秋風はの意である。
二句「日に異に吹きぬ」の「日に異に」は日ごとにますますの意、「ぬ」は完了である。ここで二句切れとなる。
三句「高円の」は奈良の都の東南にある高円の地である。
四句「野辺の秋萩」は野辺の萩の意である。
結句「散らまく惜しも」は散ることが惜しいの意で、一連に繰り返される結句である。
たかまと:奈良の都の東南にある地
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 秋萩に恋尽さじと思へども しゑやあたらしまたも逢はめやも
- 次の歌
- 大夫の心はなしに秋萩の 恋のみにやもなづみてありなむ