- 歌の意味
- 私が待っていた秋はやって来た。けれども、萩の花はまだ咲かずにいることだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2123
詞書は前の歌に続き「花を詠む」
待ちわびた秋は来たのに、萩の花はまだ咲いていないと残念がる歌である。本巻の第二千三十六首と同じく「我が待ちし秋は来たりぬ」で始まるが、七夕の歌が逢瀬の喜びへと続いたのに対し、この歌は萩の咲かないもどかしさへと転じており、同じ上の句から異なる思いが導かれている。
初句「我が待ちし」は私が待っていたの意である。
二句「秋は来たりぬ」の「ぬ」は完了で、ここで二句切れとなる。第二千三十六首の二句と同じである。
三句「しかれども」はけれどもの意で、逆接を表す。
四句「萩の花ぞも」の「ぞ」は強意の係助詞、「も」は詠嘆である。
結句「いまだ咲かずける」は「咲かずけり」の連体形で、四句の「ぞ」の結びである。咲かない萩を嘆いて結ぶ。
きたる:やって来る
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 大夫の心はなしに秋萩の 恋のみにやもなづみてありなむ
- 次の歌
- 見まく欲り我が待ち恋ひし秋萩は 枝もしみみに花咲きにけり