秋萩は雁に逢はじと言へればか
声を聞きては花に散りぬる
- 歌の意味
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秋萩は雁には逢うまいと言っているからだろうか、雁の声を聞くと花が散ってしまうことだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2126
詞書は前の歌に続き「花を詠む」
雁の声を聞くと萩の花が散ることを、萩が雁に逢うまいと言っているからだろうかと見立てた歌である。雁の渡ってくるころに萩が散るという季節の移り変わりを、萩と雁の心のやりとりとしてとらえた機知に富む表現である。訓読には三句に「一云 言へれかも」の異伝が添えられている。萩の一連の後に雁の一連が続き、この歌は萩から雁への橋渡しの位置にある。
初句「秋萩は」は主題を示す。
二句「雁に逢はじと」の「じ」は打ち消し意志で、雁には逢うまいとの意である。
三句「言へればか」の「か」は疑問の係助詞で、結句の「ぬる」と係り結びをなす。言っているからだろうかの意となる。
四句「声を聞きては」は雁の声を聞くとの意である。
結句「花に散りぬる」の「ぬる」は完了の「ぬ」の連体形で、三句の「か」の結びである。雁の声とともに散る萩を示して結ぶ。
かり:雁。秋に北から渡ってくる鳥
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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春日野の萩し散りなば朝東風の 風にたぐひてここに散り来ね
- 次の歌
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秋さらば妹に見せむと植ゑし萩 露霜負ひて散りにけるかも