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秋さらば妹に見せむと植ゑし萩
露霜負ひて散りにけるかも

歌の意味
秋になったら恋人に見せようと植えた萩が、露や霜を受けて散ってしまったことだ。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2127

詞書は前の歌に続き「花を詠む」
 秋になったら恋人に見せようと植えた萩が、露や霜を受けて散ってしまったことを嘆き、萩の花の一連を締めくくる歌である。見せたい相手に見せられないまま花が散ってしまったもどかしさが表れている。本巻の第二千百十二首の、萩を待つ人に見せたいのにという歌と通じる思いで、萩の一連は散る萩への嘆きで閉じられている。

 初句「秋さらば」の「さる」は季節が来る意、「ば」は仮定で、秋になったらの意である。
 二句「妹に見せむと」は恋人に見せようとの意である。
 三句「植ゑし萩」の「し」は過去の「き」の連体形で、植えた萩の意となる。
 四句「露霜負ひて」の「露霜」は露と霜、あるいは露が凍って霜となったものの意である。
 結句「散りにけるかも」の「けり」「かも」は詠嘆である。散ってしまったことを嘆いて結ぶ。

つゆしも:露と霜。また、露が凍って霜のようになったもの
出典
万葉集
前の歌
秋萩は雁に逢はじと言へればか 声を聞きては花に散りぬる
次の歌
秋風に大和へ越ゆる雁がねは いや遠ざかる雲隠りつつ