- 歌の意味
- 秋風に乗って大和へと山を越えていく雁は、ますます遠ざかっていく。雲に隠れながら。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2128
詞書「雁を詠む」
秋風に乗って大和の方へ山を越えていく雁が、雲に隠れながら次第に遠ざかっていく様子を詠んだ歌で、題詞は「雁を詠む」である。遠ざかる雁の姿に、大和を離れた地にいる作者の望郷の思いが重ねられているとも読める。萩の一連の最後の歌が雁の声に散る萩を詠んだのを受け、ここから雁の一連が始まる。
初句「秋風に」は秋風に乗っての意である。
二句「大和へ越ゆる」は大和の方へ山を越えていくの意である。
三句「雁がねは」は雁はの意で、主題を示す。
四句「いや遠ざかる」の「いや」はますますの意で、ここで四句切れとなる。
結句「雲隠りつつ」の「つつ」は継続で、雲に隠れながらの意である。倒置によって遠ざかる様子を最後に示している。
かりがね:雁の鳴き声。転じて雁
くもがくる:雲に隠れる
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 秋さらば妹に見せむと植ゑし萩 露霜負ひて散りにけるかも
- 次の歌
- 明け暮れの朝霧隠り鳴きて行く 雁は我が恋妹に告げこそ