我が宿に鳴きし雁がね雲の上に
今夜鳴くなり国へかも行く
- 歌の意味
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我が家で鳴いていた雁が、今夜は雲の上で鳴いているようだ。故郷の国へ帰って行くのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2130
詞書は前の歌に続き「雁を詠む」
かつて家のあたりで鳴いていた雁が、今夜は雲の上で鳴いているのを聞き、故郷へ帰って行くのだろうかと思いやる歌である。雁の声の遠ざかりに、旅立つものへの名残惜しさと、作者自身の望郷の思いとが重ねられている。本巻の第二千百二十八首の遠ざかる雁と同じく、去りゆく雁を詠んでいる。
初句「我が宿に」は私の家にの意である。
二句「鳴きし雁がね」の「し」は過去の「き」の連体形で、鳴いていた雁の意となる。
三句「雲の上に」は雲の上での意である。
四句「今夜鳴くなり」の「なり」は伝聞推定で、声によって雁の鳴くことを知る様子を示す。ここで四句切れとなる。
結句「国へかも行く」の「かも」は疑問の係助詞で、「行く」の連体形と係り結びをなす。故郷へ帰るのかと思いやって結ぶ。
かりがね:雁の鳴き声。転じて雁
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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明け暮れの朝霧隠り鳴きて行く 雁は我が恋妹に告げこそ
- 次の歌
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さを鹿の妻どふ時に月をよみ 雁が音聞こゆ今し来らしも