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秋の田の我が刈りばかの過ぎぬれば
雁が音聞こゆ冬かたまけて

歌の意味
秋の田の私の刈り取りの受け持ち分が済んだので、雁の声が聞こえる。冬が近づいてきて。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2133

詞書は前の歌に続き「雁を詠む」
 秋の田の刈り入れの受け持ちを終えたころ、雁の声が聞こえ、冬の近づいたことを知る歌である。農作業の区切りと雁の渡りとが季節の移り目として重なり、働く人の生活の実感がこもっている。春雑歌の第千八百五十四首で「桜の花の時かたまけぬ」と季節の近づきを詠んだのと同じく、「かたまく」の語で冬の近づきを示している。

 初句「秋の田の」は秋の田のの意である。
 二句「我が刈りばかの」の「刈りばか」は稲刈りの受け持ち区域、分担の意である。
 三句「過ぎぬれば」は済んだのでの意で、「ば」は確定条件である。
 四句「雁が音聞こゆ」は雁の声が聞こえるの意で、ここで四句切れとなる。
 結句「冬かたまけて」の「かたまく」は時節が近づく意である。倒置によって季節の移り目を最後に示している。

かりばか:稲刈りの受け持ち区域。分担
かたまく:時節が近づく。その時期になる
出典
万葉集
前の歌
天雲の外に雁が音聞きしより はだれ霜降り寒しこの夜は
次の歌
葦辺なる荻の葉さやぎ秋風の 吹き来るなへに雁鳴き渡る