おしてる難波堀江の葦辺には
雁寝たるかも霜の降らくに
- 歌の意味
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難波の堀江の葦辺では、雁が寝ているのだろうか。霜が降っているというのに。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2135
詞書は前の歌に続き「雁を詠む」
霜の降る寒い夜に、難波の堀江の葦辺で寝ているであろう雁を思いやる歌である。寒さの中で身を寄せ合う雁の姿を想像し、そのいじらしさに心を寄せている。前歌の葦辺で鳴き渡る雁に対し、この歌は葦辺で寝る雁を詠んでおり、同じ葦辺を舞台に雁の動と静とを対比させている。
初句「おしてる」は「難波」にかかる枕詞で、字足らずの句である。
二句「難波堀江の」の「難波堀江」は難波の地に掘られた運河とされる。
三句「葦辺には」は葦の生えた水辺にはの意で、前歌の初句と同じ「葦辺」を詠む。
四句「雁寝たるかも」の「かも」は詠嘆を含む疑問で、ここで四句切れとなる。
結句「霜の降らくに」の「降らく」は「降る」のク語法、「に」は逆接で、霜が降っているのにの意となる。
おしてる:「難波」にかかる枕詞
ほりえ:掘って作った水路
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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葦辺なる荻の葉さやぎ秋風の 吹き来るなへに雁鳴き渡る
- 次の歌
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秋風に山飛び越ゆる雁がねの 声遠ざかる雲隠るらし