- 歌の意味
- 朝に飛んで行く雁の鳴く声は、私のように物思いをしているからだろうか、声が悲しく聞こえる。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2137
詞書は前の歌に続き「雁を詠む」
朝に飛んで行く雁の鳴き声が悲しく聞こえるのは、自分と同じように物思いをしているからだろうかと詠んだ歌である。雁の声に自分の憂いを重ね、自然の中に心の友を見いだしている。春相聞の第千八百九十二首で鴬と自分の物思いを比べた歌と同じく、鳥の声に作者の物思いが投影されている。
初句「朝に行く」は朝に飛んで行くの意である。
二句「雁の鳴く音は」は雁の鳴く声はの意である。
三句「我がごとく」は私のようにの意である。
四句「物思へれかも」の「かも」は疑問の係助詞で、結句の「悲しき」と係り結びをなす。物思いをしているからだろうかの意となる。
結句「声の悲しき」は声が悲しいの意で、四句の「かも」の結びとして連体形で結ぶ。
ものもふ:物思いをする
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 秋風に山飛び越ゆる雁がねの 声遠ざかる雲隠るらし
- 次の歌
- 鶴がねの今朝鳴くなへに雁がねは いづくさしてか雲隠るらむ