ぬばたまの夜渡る雁はおほほしく
幾夜を経てかおのが名を告る
- 歌の意味
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夜空を渡る雁は、ぼんやりと幾夜を経て、自分の名を名乗るのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2139
詞書は前の歌に続き「雁を詠む」
夜空を渡る雁が、幾夜も経て自分の名を名乗るように鳴くことを詠んだ歌である。雁の鳴き声「かり」を、自分の名を名乗る声と聞きなした機知が見られる。夜の闇の中を渡る雁の声に、はるばる旅してきた鳥の姿を思い浮かべている。
初句「ぬばたまの」は「夜」にかかる枕詞である。
二句「夜渡る雁は」は夜空を渡る雁はの意である。
三句「おほほしく」はぼんやりと、はっきりしないさまでの意である。
四句「幾夜を経てか」の「か」は疑問の係助詞で、結句の「告る」と係り結びをなす。
結句「おのが名を告る」は自分の名を名乗るの意である。雁の声を「かり」と名乗る声と聞きなして結ぶ。
ぬばたま:ヒオウギの実。黒いことから「ぬばたまの」で「夜」「黒」などにかかる枕詞となる
のる:名を告げる。名乗る
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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鶴がねの今朝鳴くなへに雁がねは いづくさしてか雲隠るらむ
- 次の歌
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あらたまの年の経ゆけばあどもふと 夜渡る我れを問ふ人や誰れ