- 歌の意味
- 年が経っていくので、仲間を率いて夜空を渡る私に、声をかけて尋ねるのは誰なのか。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2140
詞書は前の歌に続き「雁を詠む」
雁の立場から、年が経つにつれて仲間を率いて夜空を渡る自分に、声をかけるのは誰かと問いかけた歌とされる。前歌で雁の鳴き声を名乗りと聞いたのを受け、雁の側から人に問い返すような趣向で、雁の一連の中で視点が反転している。
初句「あらたまの」は「年」にかかる枕詞である。
二句「年の経ゆけば」は年が経っていくのでの意である。
三句「あどもふと」の「あどもふ」は率いる、呼び集める意とされる。
四句「夜渡る我れを」は夜空を渡る私をの意で、雁の立場を示す。
結句「問ふ人や誰れ」の「や」は疑問の係助詞である。問いかける人は誰かと問い返して結ぶ。
あらたま:「あらたまの」で「年」「月」などにかかる枕詞となる
あどもふ:率いる。呼び集める
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- ぬばたまの夜渡る雁はおほほしく 幾夜を経てかおのが名を告る
- 次の歌
- このころの秋の朝明に霧隠り 妻呼ぶ鹿の声のさやけさ