- 歌の意味
- このごろの秋の夜明けに、霧に隠れて妻を呼ぶ鹿の声の、なんと澄んでいることよ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2141
詞書「鹿鳴を詠む」
このごろの秋の夜明けに、霧に隠れて妻を呼ぶ鹿の声の澄んだ響きを詠んだ歌で、題詞は「鹿鳴を詠む」である。姿の見えない霧の中から聞こえる鹿の声が、秋の朝の静けさと清らかさを際立たせている。雁の一連に続いて鹿の鳴く声の一連が始まり、秋の動物の声が次々と詠まれていく。
初句「このころの」はこのごろのの意である。
二句「秋の朝明に」の「朝明」は夜明けの意である。
三句「霧隠り」は霧に隠れての意である。
四句「妻呼ぶ鹿の」は妻を呼ぶ鹿のの意である。
結句「声のさやけさ」の「さやけさ」は澄んで清らかなことの意で、体言止めである。
あさけ:夜明け。明け方
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- あらたまの年の経ゆけばあどもふと 夜渡る我れを問ふ人や誰れ
- 次の歌
- さを鹿の妻ととのふと鳴く声の 至らむ極み靡け萩原