秋萩の恋も尽きねばさを鹿の
声い継ぎい継ぎ恋こそまされ
- 歌の意味
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秋萩への恋も尽きないので、雄鹿の声は次々と続き、恋しさがいっそうまさることだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2145
詞書は前の歌に続き「鹿鳴を詠む」
秋萩への恋が尽きないために、雄鹿が次々と声を継いで鳴き、恋しさがいっそうつのると詠んだ歌である。萩を妻とする鹿の恋を描きながら、その声を聞く作者自身の恋心もまたつのっていく様子がうかがえる。本巻の第二千九十四首などに見られる鹿と萩を夫婦とする趣向が、鹿の鳴く声の一連にも引き継がれている。
初句「秋萩の」は秋萩へのの意である。
二句「恋も尽きねば」の「ね」は打ち消しの已然形、「ば」は確定条件で、恋も尽きないのでの意となる。
三句「さを鹿の」は雄鹿のの意である。
四句「声い継ぎい継ぎ」の「い」は接頭語で、声を次々と継いでの意である。繰り返しによって絶え間ない声を表す。
結句「恋こそまされ」の「こそ」は強意の係助詞で、「まされ」は已然形の結びである。つのる恋しさを強調して結ぶ。
いつぐ:次々と続ける。「い」は接頭語
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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雁は来ぬ萩は散りぬとさを鹿の 鳴くなる声もうらぶれにけり
- 次の歌
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山近く家や居るべきさを鹿の 声を聞きつつ寐ねかてぬかも