- 歌の意味
- 山の近くに家を構えて住むべきであろうか。雄鹿の声を聞きながら、眠りかねていることだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2146
詞書は前の歌に続き「鹿鳴を詠む」
山の近くに住んだために、雄鹿の鳴く声を聞いて夜も眠れないと、山近くに住むことを悔やむように詠んだ歌である。春雑歌の第千八百二十九首が春山の近くに住む人をうらやんだのに対し、この歌は山近くに住むことで鹿の声に悩まされるという反対の心を詠んでいる。
初句「山近く」は山の近くにの意である。
二句「家や居るべき」の「や」は反語の係助詞で、家を構えて住むべきであろうか、いや住むべきではないの意となる。ここで二句切れとなる。
三句「さを鹿の」は雄鹿のの意である。
四句「声を聞きつつ」の「つつ」は継続で、声を聞きながらの意である。
結句「寐ねかてぬかも」の「かてぬ」はできない意、「かも」は詠嘆である。眠れない嘆きを示して結ぶ。
いぬ:眠る。寝る
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 秋萩の恋も尽きねばさを鹿の 声い継ぎい継ぎ恋こそまされ
- 次の歌
- 山の辺にい行くさつ男は多かれど 山にも野にもさを鹿鳴くも