山辺にはさつ男のねらひ畏けど
を鹿鳴くなり妻が目を欲り
- 歌の意味
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山のあたりでは猟師の狙いが恐ろしいけれども、雄鹿が鳴いているようだ。妻に逢いたいと思って。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2149
詞書は前の歌に続き「鹿鳴を詠む」
山のあたりでは猟師の狙いが恐ろしいのに、それでも妻に逢いたくて雄鹿が鳴いていると詠んだ歌である。命の危険を冒してでも妻を求める鹿の姿に、恋のひたむきさが強く表れている。本巻の第二千百四十七首と同じく猟師の危険を顧みずに鳴く鹿を詠み、二首で同じ趣向を繰り返している。
初句「山辺には」は山のあたりではの意である。
二句「さつ男のねらひ」は猟師の狙いの意である。
三句「畏けど」の「畏し」は恐ろしい意、「ど」は逆接である。
四句「を鹿鳴くなり」の「なり」は伝聞推定で、声によって鹿の鳴くことを知る様子を示す。ここで四句切れとなる。
結句「妻が目を欲り」の「目」は顔を合わせること、「欲る」は望む意である。倒置によって鳴く理由を最後に示している。
さつを:狩りをする人。猟師
め:目。顔を合わせること
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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あしひきの山より来せばさを鹿の 妻呼ぶ声を聞かましものを
- 次の歌
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秋萩の散りゆく見ればおほほしみ 妻恋すらしさを鹿鳴くも