- 歌の意味
- 秋萩が散ってしまったならば、雄鹿は嘆き悲しんで鳴くことだろう。見ないでいると物足りないので。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2152
詞書は前の歌に続き「鹿鳴を詠む」
秋萩が散ってしまったら、萩を見られない物足りなさから雄鹿は嘆き悲しんで鳴くだろうと思いやる歌である。萩を妻とする鹿の悲しみを先回りして思いやっており、本巻の第二千百五十首の散る萩を見て鳴く鹿の歌と通じている。
初句「秋萩の」は秋萩がの意である。
二句「散り過ぎゆかば」の「ば」は仮定で、散ってしまったならばの意である。
三句「さを鹿は」は雄鹿はの意である。
四句「わび鳴きせむな」の「わび鳴き」は嘆き悲しんで鳴くこと、「な」は詠嘆の終助詞である。ここで四句切れとなる。
結句「見ずはともしみ」の「ともし」は物足りない意、「み」は原因を表す。倒置によって嘆く理由を最後に示している。
わびなき:嘆き悲しんで鳴くこと
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 山遠き都にしあればさを鹿の 妻呼ぶ声は乏しくもあるか
- 次の歌
- 秋萩の咲きたる野辺はさを鹿ぞ 露を別けつつ妻どひしける