- 歌の意味
- 秋萩の咲いている野辺で、雄鹿は萩の散るのを惜しんで、鳴きながら行くことだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2155
詞書は前の歌に続き「鹿鳴を詠む」
秋萩の咲く野辺で、雄鹿が萩の散るのを惜しんで鳴きながら行く様子を詠んだ歌である。夏雑歌の第千九百四十四首や第千九百五十七首の花の散るのを惜しんで鳴くほととぎすと同じ趣向で、季節の鳥に代わって秋の鹿が花を惜しんで鳴いている。
初句「秋萩の」は秋萩のの意である。
二句「咲たる野辺に」は咲いている野辺にの意で、第二千百五十三首の二句とほぼ同じである。
三句「さを鹿は」は雄鹿はの意である。
四句「散らまく惜しみ」は散ることを惜しんでの意である。
結句「鳴き行くものを」の「ものを」は詠嘆を含む接続助詞である。花を惜しんで鳴き行く鹿を詠んで結ぶ。
さをしか:雄鹿。「さ」は接頭語
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- なぞ鹿のわび鳴きすなるけだしくも 秋野の萩や繁く散るらむ
- 次の歌
- あしひきの山の常蔭に鳴く鹿の 声聞かすやも山田守らす子