庭草に村雨降りてこほろぎの
鳴く声聞けば秋づきにけり
- 歌の意味
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庭の草に村雨が降って、こおろぎの鳴く声を聞くと、すっかり秋らしくなったことだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2160
詞書は前の歌に続き「蟋を詠む」
庭の草に村雨が降り、こおろぎの鳴く声を聞いて、すっかり秋らしくなったことに気づく歌で、こおろぎの一連を締めくくる。村雨の音とこおろぎの声とが重なり、季節の深まりを実感する心が表れている。巻頭の第千八百十二首が霞によって春の到来を知ったのと同じく、景物によって季節の移り変わりを知る構図である。
初句「庭草に」は庭の草にの意である。
二句「村雨降りて」の「村雨」はひとしきり強く降っては止む雨の意である。
三句「こほろぎの」はこおろぎのの意である。
四句「鳴く声聞けば」の「ば」は確定条件で、鳴く声を聞くとの意である。
結句「秋づきにけり」の「秋づく」は秋らしくなる意、「けり」は気づきの詠嘆である。
むらさめ:ひとしきり強く降っては止む雨
あきづく:秋らしくなる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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蔭草の生ひたる宿の夕影に 鳴くこほろぎは聞けど飽かぬかも
- 次の歌
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み吉野の岩もとさらず鳴くかはづ うべも鳴きけり川をさやけみ