み吉野の岩もとさらず鳴くかはづ
うべも鳴きけり川をさやけみ
- 歌の意味
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吉野の岩の根もとを離れずに鳴くかじか蛙は、もっともなことに鳴いていたのだ。川が清らかなので。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2161
詞書「蝦を詠む」
吉野の川の岩の根もとを離れずに鳴くかじか蛙の声を、川が清らかだからこそ鳴いているのだと納得する歌で、題詞は「蝦を詠む」である。清流と澄んだ蛙の声とが響き合い、吉野の川の清らかさがたたえられている。春雑歌の第千八百六十八首の「かはづ鳴く吉野の川」と同じく、吉野とかじか蛙の取り合わせが詠まれている。
初句「み吉野の」の「み」は美称の接頭語で、吉野のの意である。
二句「岩もとさらず」は岩の根もとを離れずにの意である。
三句「鳴くかはづ」の「かはづ」は清流に住むカジカガエルで、ここで三句切れとなる。
四句「うべも鳴きけり」の「うべ」はもっともなことに、なるほどの意、「けり」は気づきの詠嘆である。
結句「川をさやけみ」の「さやけし」は清らかな意、「み」は原因を表す。倒置によって鳴く理由を最後に示している。
かはづ:カジカガエル。清流に住み、澄んだ声で鳴く
- 出典
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万葉集
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庭草に村雨降りてこほろぎの 鳴く声聞けば秋づきにけり
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神なびの山下響み行く水に かはづ鳴くなり秋と言はむとや