草枕旅に物思ひ我が聞けば
夕かたまけて鳴くかはづかも
- 歌の意味
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旅の途中で物思いにふけりながら私が聞いていると、夕方が近づいて鳴くかじか蛙であることよ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2163
詞書は前の歌に続き「蝦を詠む」
旅の途中で物思いにふけっていると、夕方が近づくにつれてかじか蛙が鳴き出したと詠んだ歌である。旅の寂しさと夕暮れの物悲しさに、蛙の声が重なり、旅愁がいっそう深まっている。前歌までの蛙の声を清らかさや秋の告げとした歌に対し、この歌は旅の物思いの中で聞く蛙の声を詠んでいる。
初句「草枕」は「旅」にかかる枕詞である。
二句「旅に物思ひ」は旅の途中で物思いをしての意である。
三句「我が聞けば」は私が聞くとの意で、「ば」は確定条件である。
四句「夕かたまけて」の「かたまく」は時節が近づく意で、夕方が近づいての意となる。
結句「鳴くかはづかも」の「かも」は詠嘆である。旅愁の中に響く蛙の声を示して結ぶ。
くさまくら:草を結んで枕とすること。「くさまくら」で「旅」にかかる枕詞となる
かたまく:時節が近づく。その時期になる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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神なびの山下響み行く水に かはづ鳴くなり秋と言はむとや
- 次の歌
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瀬を早み落ちたぎちたる白波に かはづ鳴くなり朝夕ごとに