上つ瀬にかはづ妻呼ぶ夕されば
衣手寒み妻まかむとか
- 歌の意味
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上流の瀬でかじか蛙が妻を呼んでいる。夕方になると袖が寒いので、妻と共寝しようというのだろうか。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2165
詞書は前の歌に続き「蝦を詠む」
上流の瀬で妻を呼んで鳴くかじか蛙を、夕方の寒さに妻と共寝しようとしているのだろうかと思いやる歌で、蛙の一連を締めくくる。蛙の鳴き声を妻を呼ぶ声と聞きなし、人の恋心を重ねている。鹿の鳴く声の一連で妻を呼ぶ鹿が詠まれたのと同じく、蛙もまた妻を呼ぶものとして詠まれている。
初句「上つ瀬に」は上流の瀬にの意である。
二句「かはづ妻呼ぶ」はかじか蛙が妻を呼ぶの意で、ここで二句切れとなる。
三句「夕されば」は夕方になるとの意である。
四句「衣手寒み」の「衣手」は袖、「み」は原因を表し、袖が寒いのでの意となる。
結句「妻まかむとか」の「まく」は共寝する意、「か」は疑問である。蛙の心を思いやって結ぶ。
かみつせ:上流の瀬
ころもで:袖
まく:枕にする。共寝する
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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瀬を早み落ちたぎちたる白波に かはづ鳴くなり朝夕ごとに
- 次の歌
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妹が手を取石の池の波の間ゆ 鳥が音異に鳴く秋過ぎぬらし