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夕立ちの雨降るごとに春日野の
尾花が上の白露思ほゆ

歌の意味
夕立の雨が降るたびに、春日野の尾花の上に置く白露が思われる。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2169

詞書は前の歌に続き「露を詠む」
 夕立の雨が降るたびに、春日野のすすきの穂に置く白露が思い出されると詠んだ歌である。夕立という身近な雨から、遠い春日野の露へと心が向かい、美しい景への憧れが表れている。訓読には二句に「一云 うち降れば」の異伝が添えられている。前歌の萩の露に対し、この歌は尾花の露を詠んでおり、露の置く草を替えている。

 初句「夕立ちの」は夕立のの意である。
 二句「雨降るごとに」は雨が降るたびにの意である。
 三句「春日野の」は春日野のの意である。
 四句「尾花が上の」はすすきの穂の上のの意である。
 結句「白露思ほゆ」の「思ほゆ」は自然に思われる意で、字余りの句である。春日野の露を思って結ぶ。

ゆふだち:夕方に急に降る雨
をばな:すすきの穂
おもほゆ:自然に思われる。思い出される
出典
万葉集
前の歌
秋萩に置ける白露朝な朝な 玉としぞ見る置ける白露
次の歌
秋萩の枝もとををに露霜置き 寒くも時はなりにけるかも