我が宿の尾花押しなべ置く露に
手触れ我妹子散らまくも見む
- 歌の意味
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我が家の尾花を押しなびかせるほどに置いている露に、手を触れてごらん、愛しい人よ。露が散るのも見よう。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2172
詞書は前の歌に続き「露を詠む」
家のすすきの穂を押しなびかせるほどに置いた露に、恋人に手を触れてみるよう促し、その露が散るのを見ようと詠んだ歌である。露の散る一瞬の美しさを恋人と共に楽しもうとする、親しみに満ちた心が表れている。本巻の第二千百六十七首の妻に百舌鳥の声を聞けと促す歌と同じく、秋の景を恋人と分かち合おうとしている。
初句「我が宿の」は私の家のの意である。
二句「尾花押しなべ」は尾花を押しなびかせての意である。露の重さを示す。
三句「置く露に」は置いている露にの意である。
四句「手触れ我妹子」は手を触れよ、愛しい人よの意で、命令形の呼びかけである。ここで四句切れとなる。
結句「散らまくも見む」の「まく」は推量の「む」のク語法、後の「む」は意志である。露の散るのを見ようと結ぶ。
おしなぶ:押しなびかせる
わぎもこ:男性が妻や恋人を親しんで呼ぶ語
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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白露と秋萩とには恋ひ乱れ 別くことかたき我が心かも
- 次の歌
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白露を取らば消ぬべしいざ子ども 露に競ひて萩の遊びせむ