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このころの秋風寒し萩の花
散らす白露置きにけらしも

歌の意味
このごろの秋風は寒い。萩の花を散らす白露が置いたらしい。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2175

詞書は前の歌に続き「露を詠む」
 このごろの秋風の寒さから、萩の花を散らす白露が置いたらしいと推し量る歌である。肌に感じる風の寒さを手がかりに、見えない野の露と萩の散ることを思いやっている。本巻の第二千百四十一首の「このころの秋の朝明に」と同じく「このころの」で始まり、季節の移ろいを身近に感じ取っている。

 初句「このころの」はこのごろのの意である。
 二句「秋風寒し」は秋風が寒いの意で、ここで二句切れとなる。
 三句「萩の花」は萩の花をの意である。
 四句「散らす白露」は萩の花を散らす白露の意である。
 結句「置きにけらしも」の「けらし」は過去の推定、「も」は詠嘆である。風の寒さを根拠に露の置いたことを推し量って結ぶ。

しらつゆ:白く光る露
出典
万葉集
前の歌
秋田刈る仮廬を作り我が居れば 衣手寒く露ぞ置きにける
次の歌
秋田刈る苫手動くなり白露し 置く穂田なしと告げに来ぬらし