九月のしぐれの雨に濡れ通り
春日の山は色づきにけり
- 歌の意味
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九月のしぐれの雨にすっかり濡れて、春日の山は色づいたことだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2180
詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
九月のしぐれの雨にすっかり濡れて、春日の山が色づいたことを詠んだ歌である。しぐれが木々を染めるという当時の考え方を背景に、雨に濡れた山の紅葉の鮮やかさがとらえられている。前歌がしぐれに降るなと願ったのに対し、この歌はしぐれによって色づいた山を詠んでおり、しぐれが紅葉を散らすものであると同時に色づかせるものでもあることが示されている。
初句「九月の」は陰暦九月のの意で、晩秋にあたる。
二句「しぐれの雨に」はしぐれの雨にの意である。
三句「濡れ通り」はすっかり濡れての意である。
四句「春日の山は」は奈良の都の東にある春日山はの意である。
結句「色づきにけり」の「けり」は気づきの詠嘆である。色づいた山に気づいた感動を示して結ぶ。
ながつき:陰暦の九月
しぐれ:秋から冬にかけて降ったりやんだりする雨
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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朝露ににほひそめたる秋山に しぐれな降りそありわたるがね
- 次の歌
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雁が音の寒き朝明の露ならし 春日の山をもみたすものは