雁が音の寒き朝明の露ならし
春日の山をもみたすものは
- 歌の意味
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雁の声の寒々と聞こえる夜明けの露であるらしい。春日の山を紅葉させるものは。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2181
詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
春日の山を紅葉させるのは、雁の声が寒々と聞こえる夜明けの露であるらしいと推し量る歌である。紅葉の原因を露に求める当時の考え方を背景に、雁の声と露の冷たさとが紅葉の季節を形づくっている。前歌が紅葉をしぐれによるものとしたのに対し、この歌は露によるものとしており、紅葉を染めるものが一連の中でさまざまに詠まれている。
初句「雁が音の」は雁の声のの意である。
二句「寒き朝明の」の「朝明」は夜明けの意である。雁の声の寒々とした夜明けを示す。
三句「露ならし」の「らし」は根拠ある推定で、露であるらしいの意となる。ここで三句切れとなる。
四句「春日の山を」は春日の山をの意で、前歌と同じ山を詠む。
結句「もみたすものは」の「もみたす」は紅葉させる意である。倒置によって推定の対象を最後に示している。
あさけ:夜明け。明け方
もみたす:紅葉させる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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九月のしぐれの雨に濡れ通り 春日の山は色づきにけり
- 次の歌
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このころの暁露に我がやどの 萩の下葉は色づきにけり