- 歌の意味
- このごろの明け方の露に、我が家の萩の下葉は色づいたことだ。
- 鑑賞
-
巻第十 秋雑歌 2182
詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
このごろの明け方の露にあたって、家の萩の下葉が色づいたことに気づく歌である。前歌が遠くの春日山の紅葉を詠んだのに対し、この歌は身近な家の萩の下葉の色づきを詠んでおり、遠景と近景との対照が見られる。露によって色づくという点では前歌と共通している。
初句「このころの」はこのごろのの意である。
二句「暁露に」の「暁」は夜明け前のまだ暗いころの意である。
三句「我がやどの」は私の家のの意である。
四句「萩の下葉は」の「下葉」は下のほうの葉の意である。
結句「色づきにけり」の「けり」は気づきの詠嘆である。身近な紅葉に気づいて結ぶ。
あかとき:夜明け前のまだ暗いころ
したば:下のほうの葉
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 雁が音の寒き朝明の露ならし 春日の山をもみたすものは
- 次の歌
- 雁がねは今は来鳴きぬ我が待ちし 黄葉早継げ待たば苦しも