- 歌の意味
- 巻来の山の朝露に美しく照り映える黄葉が、散ってしまうのは惜しいことだ。
- 鑑賞
-
巻第十 秋雑歌 2187
詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
巻来の山の朝露に照り映える紅葉が散ることを惜しむ歌である。初句の「妹が袖」は恋人の袖を枕として巻く意から「巻来」を導く序で、紅葉の美しさに恋の情趣を添えている。春雑歌の第千八百十五首の「子らが手を巻向山に」と同じく、恋人の手や袖を枕とする意から地名を導く技法を用いている。
初句「妹が袖」は恋人の袖をの意で、枕として巻く意から「巻来」を導く。
二句「巻来の山の」の「巻来」は地名とされ、所在は不明である。
三句「朝露に」は朝露にあたっての意である。
四句「にほふ黄葉の」の「にほふ」は色美しく照り映える意である。
結句「散らまく惜しも」は散ることが惜しいの意で、一連に繰り返される結句である。
にほふ:色美しく照り映える
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 秋されば置く白露に我が門の 浅茅が末葉色づきにけり
- 次の歌
- 黄葉のにほひは繁ししかれども 妻梨の木を手折りかざさむ