黄葉のにほひは繁ししかれども
妻梨の木を手折りかざさむ
- 歌の意味
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黄葉の色の美しさはいたるところに満ちている。けれども、妻がいないという名の梨の木を手折って髪に挿そう。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2188
詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
紅葉の美しさはいたるところにあるが、あえて「妻無し」に通じる梨の木を手折って髪に挿そうと詠んだ歌である。「梨」に「無し」を掛け、妻のいない自分の身を梨の木に重ねる機知と、ほのかな自嘲がうかがえる。次歌の第二千百八十九首も「妻梨の木」を詠み、二首が同じ掛詞を用いている。
初句「黄葉の」は紅葉のの意である。
二句「にほひは繁し」は色の美しさはたくさんあるの意で、ここで二句切れとなる。
三句「しかれども」はけれどもの意で、逆接を表す。
四句「妻梨の木を」の「妻梨」は「妻無し」の意を掛けた語で、梨の木を指す。
結句「手折りかざさむ」の「む」は意志である。梨の枝を髪に挿そうと結ぶ。
つまなし:梨の木に「妻無し」の意を掛けた語
かざす:草木の花や枝を髪に挿す
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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妹が袖巻来の山の朝露に にほふ黄葉の散らまく惜しも
- 次の歌
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露霜の寒き夕の秋風に もみちにけらし妻梨の木は