- 歌の意味
- 露霜の寒い夕べの秋風に、紅葉したらしい。妻がいないという名の梨の木は。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2189
詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
露霜の寒い夕べの秋風に、梨の木が紅葉したらしいと推し量る歌である。前歌と同じく「妻梨の木」に「妻無し」を掛け、寒い夕べに色づく梨の木に、独り身の寂しさを重ねている。前歌が梨の枝を髪に挿そうとしたのに対し、この歌は梨の紅葉を推し量っており、二首で妻梨の木を詠み継いでいる。
初句「露霜の」は露霜のの意である。
二句「寒き夕の」は寒い夕べのの意である。
三句「秋風に」は秋風にの意である。
四句「もみちにけらし」の「けらし」は過去の推定で、紅葉したらしいの意となる。ここで四句切れとなる。
結句「妻梨の木は」は倒置によって推定の対象を最後に示し、前歌と同じ掛詞を用いて結ぶ。
つゆしも:露と霜。また、露が凍って霜のようになったもの
つまなし:梨の木に「妻無し」の意を掛けた語
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 黄葉のにほひは繁ししかれども 妻梨の木を手折りかざさむ
- 次の歌
- 我が門の浅茅色づく吉隠の 浪柴の野の黄葉散るらし