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雁が音を聞きつるなへに高松の
野の上の草ぞ色づきにける

歌の意味
雁の声を聞いたのにつれて、高松の野の上の草が色づいたことだ。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2191

詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
 雁の声を聞いたのにつれて、高松の野の草が色づいたと詠んだ歌である。雁の到来と草の色づきとを同時の出来事としてとらえ、秋の深まりを感じ取っている。本巻の第二千百八十一首や第二千百八十三首と同じく、雁と紅葉とを結びつけている。

 初句「雁が音を」は雁の声をの意である。
 二句「聞きつるなへに」の「なへに」はそれにつれての意である。
 三句「高松の」は高円の地とされる。
 四句「野の上の草ぞ」の「ぞ」は強意の係助詞で、結句の「ける」と係り結びをなす。字余りの句である。
 結句「色づきにける」の「ける」は「けり」の連体形で、四句の「ぞ」の結びである。

たかまつ:高円の地とされる
出典
万葉集
前の歌
我が門の浅茅色づく吉隠の 浪柴の野の黄葉散るらし
次の歌
我が背子が白栲衣行き触れば にほひぬべくももみつ山かも