我が背子が白栲衣行き触れば
にほひぬべくももみつ山かも
- 歌の意味
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私の夫の白い衣が行って触れたならば、色に染まってしまいそうなほど紅葉している山であることよ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2192
詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
夫の白い衣が触れれば色に染まってしまいそうなほど、鮮やかに紅葉した山を詠んだ歌である。白い衣と紅葉の色との対比が鮮やかで、紅葉の濃さが衣を染めるという想像によって表されている。本巻の第二千百一首で萩が衣を摺り染めた歌と同じく、植物の色が衣を染める発想を紅葉に応用している。
初句「我が背子が」は女性が夫や恋人を呼ぶ語である。
二句「白栲衣」は白い布の衣の意である。
三句「行き触れば」は行って触れたならばの意で、「ば」は仮定を表す。
四句「にほひぬべくも」の「にほふ」は色に染まる意、「ぬべく」はきっと…しそうなの意である。
結句「もみつ山かも」の「もみつ」は紅葉する意、「かも」は詠嘆である。
しろたへ:白い布
もみつ:紅葉する。色づく
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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雁が音を聞きつるなへに高松の 野の上の草ぞ色づきにける
- 次の歌
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秋風の日に異に吹けば水茎の 岡の木の葉も色づきにけり