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雁がねの声聞くなへに明日よりは
春日の山はもみちそめなむ

歌の意味
雁の声を聞くのにつれて、明日からは春日の山は紅葉し始めることだろう。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2195

詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
 雁の声を聞くのにつれて、明日からは春日の山が紅葉し始めるだろうと予想する歌である。前歌と同じ構文で、前歌が龍田山の紅葉の始まりを現在のこととして詠んだのに対し、この歌は春日山の紅葉の始まりを明日のこととして予想しており、場所と時を替えた対をなしている。

 初句「雁がねの」は雁のの意で、前歌と同じ初句である。
 二句「声聞くなへに」の「なへに」はそれにつれての意である。
 三句「明日よりは」は明日からはの意である。
 四句「春日の山は」は春日山はの意である。
 結句「もみちそめなむ」の「な」は強意、「む」は推量で、紅葉し始めることだろうの意である。

もみちそむ:紅葉し始める
出典
万葉集
前の歌
雁がねの来鳴きしなへに韓衣 龍田の山はもみちそめたり
次の歌
しぐれの雨間なくし降れば真木の葉も 争ひかねて色づきにけり