いちしろくしぐれの雨は降らなくに
大城の山は色づきにけり
- 歌の意味
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はっきりとしぐれの雨は降っていないのに、大城の山は色づいたことだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2197
詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
しぐれの雨ははっきりとは降っていないのに、大城の山が色づいたことを不思議がる歌である。しぐれが木々を色づかせるという考えを前提に、しぐれなしに色づいた山への驚きが表れている。訓読には「大城の山」を筑前国御笠郡の大野山の頂であると説明する注が添えられており、大宰府の近くで詠まれた歌と考えられる。前歌がしぐれに色づく真木を詠んだのに対し、この歌はしぐれなしに色づく山を詠んでいる。
初句「いちしろく」ははっきりとの意である。
二句「しぐれの雨は」はしぐれの雨はの意である。
三句「降らなくに」の「なくに」は打ち消しのク語法に「に」の付いた形で、降っていないのにの意となる。
四句「大城の山は」の「大城の山」は筑前国の大野山とされる。
結句「色づきにけり」の「けり」は気づきの詠嘆である。しぐれなしに色づいた山への驚きを示して結ぶ。
おほきのやま:筑前国御笠郡の大野山とされる
- 出典
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万葉集
- 前の歌
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しぐれの雨間なくし降れば真木の葉も 争ひかねて色づきにけり
- 次の歌
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風吹けば黄葉散りつつすくなくも 吾の松原清くあらなくに