- 歌の意味
- 風が吹くと黄葉が散り続けて、吾の松原が清らかであることは少しもないことだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2198
詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
風が吹くたびに紅葉が散り続けて、吾の松原の清らかさが損なわれていると詠んだ歌である。常緑の松原の清らかな緑に、散る紅葉が乱れかかる様子に、紅葉の散る景へのやや複雑な思いが表れている。「すくなくも…なくに」の形で、全く清らかでないと強く言い切っている。
初句「風吹けば」は風が吹くとの意である。
二句「黄葉散りつつ」の「つつ」は継続で、紅葉が散り続けての意である。
三句「すくなくも」は下に打ち消しを伴って、少しも…ないの意となる。
四句「吾の松原」は地名とされ、伊勢国の阿我の松原とする説などがある。
結句「清くあらなくに」の「なくに」は打ち消しのク語法に「に」の付いた形で、清らかではないことよの意となる。
まつばら:松の生い茂った原
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- いちしろくしぐれの雨は降らなくに 大城の山は色づきにけり
- 次の歌
- 物思ふと隠らひ居りて今日見れば 春日の山は色づきにけり