- 歌の意味
- 物思いをして家に籠もっていて、今日見ると、春日の山は色づいていたことだ。
- 鑑賞
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巻第十 秋雑歌 2199
詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
物思いに沈んで家に籠もっていた間に、春日の山がすっかり色づいていたことに驚く歌である。心の沈んでいる間にも季節は着実に移っていたという発見に、時の流れへの感慨がこもっている。本巻の第二千百九十五首で明日から色づくと予想された春日山が、この歌ではすでに色づいており、一連の中で時が進んでいる。
初句「物思ふと」は物思いをしてとの意である。
二句「隠らひ居りて」の「隠らふ」は籠もり続ける意で、家に籠もっていての意となる。字余りの句である。
三句「今日見れば」は今日見るとの意である。
四句「春日の山は」は春日山はの意である。
結句「色づきにけり」の「けり」は気づきの詠嘆である。季節の移ろいへの驚きを示して結ぶ。
こもらふ:隠れ籠もり続ける
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 風吹けば黄葉散りつつすくなくも 吾の松原清くあらなくに
- 次の歌
- 九月の白露負ひてあしひきの 山のもみたむ見まくしもよし