- 歌の意味
- 人里よりも格別に霜が置いているらしい。高松の野山の小高いところが色づいているのを見ると。
- 鑑賞
-
巻第十 秋雑歌 2203
詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
高松の野山の小高いところが色づいているのを見て、人里よりもひときわ霜が置いているらしいと推し量る歌である。霜が紅葉を促すという考えを背景に、里と野山との寒さの違いを紅葉の色づきから読み取っている。前歌と同じく「色づく見れば」を結句とし、色づきを根拠に季節の様子を推し量る構成をとる。
初句「里ゆ異に」の「ゆ」は比較の基準、「異に」は格別にの意で、人里よりも格別にの意となる。
二句「霜は置くらし」の「らし」は根拠ある推定で、ここで二句切れとなる。
三句「高松の」は高円の地とされる。
四句「野山づかさの」の「つかさ」は小高いところの意である。
結句「色づく見れば」は前歌と同じ結句で、推定の根拠を示して結ぶ。
つかさ:小高いところ
- 出典
- 万葉集
- 前の歌
- 黄葉する時になるらし月人の 桂の枝の色づく見れば
- 次の歌
- 秋風の日に異に吹けば露を重み 萩の下葉は色づきにけり