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雁がねの寒く鳴きしゆ水茎の
岡の葛葉は色づきにけり

歌の意味
雁が寒々と鳴いてからというもの、岡の葛の葉は色づいたことだ。
鑑賞
巻第十 秋雑歌 2208

詞書は前の歌に続き「黄葉を詠む」
 雁が寒々と鳴いてから、岡の葛の葉が色づいたと詠んだ歌である。雁の到来を季節の区切りとして、その後の葛の葉の色づきに秋の深まりを感じ取っている。本巻の第二千百九十三首と同じく「水茎の岡」を詠み、次歌の第二千二百十二首も「雁がねの寒く鳴きしゆ」で始まっており、同じ上の句が繰り返されている。

 初句「雁がねの」は雁のの意である。
 二句「寒く鳴きしゆ」の「ゆ」は起点を表し、寒々と鳴いてからの意である。
 三句「水茎の」は「岡」にかかる枕詞である。
 四句「岡の葛葉は」は岡の葛の葉はの意である。
 結句「色づきにけり」の「けり」は気づきの詠嘆である。

みづくき:「みづくきの」で「岡」にかかる枕詞となる
くずは:葛の葉
出典
万葉集
前の歌
我がやどの浅茅色づく吉隠の 夏身の上にしぐれ降るらし
次の歌
秋萩の下葉の黄葉花に継ぎ 時過ぎゆかば後恋ひむかも